村政執行方針

 平成31年第1回定例会の開会にあたり、村政執行への所信を申し上げます。

 平成19年に赤井川村長に就任して以来、私は、常に元気や活力ある地域づくりを目指し、村民の皆様とともに考え、村政の運営に努めてまいりました。
 村政運営は、平成27年度に策定されました「第四期総合計画」に基づき、今後10年間の方向が示されましたので、その方針に従い肉付けを行い、より良いものとなるよう努力をしてまいりました。
 村の基幹産業である、農業「食」や観光「遊び」をテーマに産業の振興や基幹産業の体質強化、さらには、医療・福祉・子育て支援と調和のとれた村づくりに全力で取り組んでまいりました。
 また、人口減少に対応すべく、移住・定住支援事業や企業誘致にも積極的に取り組み、一定の成果も出ているところでございます。
 一方、国内外においては、政治・経済といった面で大きな変革が進み不安定要素も多く、時代の転換期を迎え、赤井川村を取り巻く環境も、日々変化していると感じているところであります。  その変革を的確に捉え、飛躍する可能性に満ちた赤井川村の発展を信じ、一層の努力が必要と考えている所でございます。
 本年度は、明治32年に仁木町当時の大江村から分村し120年の節目の年となりますので、開村記念日である6月10日に120年記念式典を挙行する予定としております。
 「未来に」をテ一マに開村150年に繋ぐ意義あるものとなるよう様々なイベントを行い、村全体で120歳の誕生日をお祝いしたいと考えております。
 赤井川村には、恵まれた自然環境をはじめ、安全・安心でおいしい食、人々を魅了する観光資源等、他地域にも劣ることのない「財産」があります。
 新たな時代を切り拓いていくため、3つの視点に立って、村民の皆様と共に輝かせていくため様々な取り組みが必要となります。

 第一は、村を丸ごと売り込む
 村には、私たちが毎日暮らしているから気づかない優れた資源が沢山あることに気づかなければなりません。
 「ふるさと納税」は、全国よりたくさんの寄付が寄せられ、平成30年度におきましては、1月末現在で総件数7,575件、寄付額は141,046千円となり、返礼品としてお送りさせて頂いている農産物等も好評をいただいており、この「ふるさと納税」も村をまるごと売り込む手段のひとつとして、返礼品に趣向を凝らし、赤井川村応援団の増加と独自財源の確保にも努めてまいりました。
 道の駅あかいがわは、開業5年目を迎え年間約80万人の方にご利用を頂いており、今後もお客様目線での運営が必要と考えます。
 また、観光資源として、キロロ・温泉・パークゴルフ場・落合ダム・冷水峠展望台等を含め村の魅力を発信し村内入込客の増加に努めなくてはなりません。
 四季それぞれに、自己主張する豊かで恵まれた自然環境、農家の方が愛情を込め作るおいしい作物、大規模で雪質が日本一ともいわれているキロロリゾートは、他の地域と比較しましても決して劣るものではなく、それぞれ一つひとつを売り込むのではなく、まるごと田舎の良さを発信していく必要があります。

 第二は、住み続けたい村づくり
 田舎故に、不便さが先行し人口が減少する傾向にありますが、医療・福祉・子育て支援を中心に、年代にあった環境づくりに努力し、リタイヤ世代には元気で暮らしていく知恵を教わり、若い世代には元気で子育てできる環境を作り、年代バランスの良い村づくりをしていく必要があります。
 また、村も例外なく少子高齢化が進む中、人口減少に対応すべく平成28年度から実施しております移住・定住支援事業は徐々にではありますが成果が出てきましたので、単品ではなく子育て支援策等もセットで情報提供を行う必要があります。

 第三は、雇用の確保
 新しい産業の創出が難しい当村においては、現在建設を開始した北海道新幹線工事や地熱開発調査の作業基地としての位置づけを明確にし、一時的ではありますが流動人口の増加に努め、村が活性化する道を探り、そこから更なる発展と新しい資源を探っていかなければ、村の未来がないといっても過言ではないと考えております。
 一方、観光に目を転じてみますと、キロロリゾートは外国人の利用客が増加傾向にあり、現在運営しているキロロリゾート区域内にコンドミニアム(10年計画350戸)及びゴンドラ増設などの拡張計画も着手し、平成31年末には第一期工事が完成するとのことでありますので、雇用の場が拡大することに期待を寄せている所でございます。
 また、現在閉鎖しているリゾート施設については、再開発の動きもありますことから、動向を見極め側面的支援に努めて行く必要があります。

重点施策の展開
■安心して生活できる定住環境の整備

①消防救急業務
 消防救急業務につきましては、平成30年度の救急車出動回数は131件で前年に比較して6件増加しておりますが、今後も緊急時の対応に万全を期する必要があります。
 近年は、村においても冬山・山菜採りの遭難や異常気象による自然災害も発生し、従来の火事・救急対応だけでなく、人命救助の要請や役割が拡大しております。複雑多様化する救急・救助災害に対応するため、消防職員の計画的な研修と救急・救助装備の整備に努め、救急体制の充実強化に努めなくてはなりません。

②交通安全・防犯
 交通安全につきましては、新幹線建設工事に伴う交通量の増加もあり、関係者も含め一丸となって安全対策に取り組んでおります。
 防犯につきましては、オレオレ詐欺など高齢者をターゲットに手口がますます巧妙になってきておりますので、住民一人ひとりが自衛意識の高揚を図り、地域や学校、各団体並びに警察関係機関と連携し、村全体の犯罪防止に取り組まなくてはなりません。

③交通の確保・防災対策
 交通の確保につきましては、生活バスの運行は、通学や通院、買い物などの交通弱者の日常生活に必要不可欠なものであり、本年度も引き続き余市町及びキロロリゾートまでの運行をバス事業者等に委託し、経費の助成を行い路線の維持をしてまいります。
 また、効率的で利用しやすい交通体系のあり方を検討する必要があることから、赤井川村地域公共交通会議を設置し協議を進めてまいります。
 現在実施しているバス料金半額助成は、通勤・通学・通院等の利用者の経済的負担軽減の面から今後も助成を継続する必要があります。
 防災対策につきましては、予想もしない自然現象(台風、大雨、豪雪、地震等)により、毎年各地で甚大な被害が発生し尊い命も失われております。
 また、昨年9月6日午前3時7分に胆振東部地震が発生し、ブラックアウトの状況による1日以上に渡る停電が発生し、日常生活に大きな影響が出たところもあり、最低限のインフラの整備が必要であり、役場庁舎・水道・下水道施設・避難所を含めた公共施設の発電機設置を検討する必要があります。
 そのようなことから、日頃の備えや防災意識の普及、人命尊重を第一とした住民との相互協力が必要となります。

④公共施設の整備
 村道の整備につきましては、幹線道路及び生活道路を中心に進めておりますが、現在実施している富田線については、社会資本整備総合交付金により早期完成を目指す必要があると考えます。
 また、路面の損傷等が激しい路線については、日常の通行に支障を来さないよう適正な維持管理が必要となります。
 老朽化した橋梁については、すでに策定している「橋梁長寿命化修繕計画」に基づき補助事業で随時整備を進めております。
 河川の整備につきましては、昨年の台風や大雨により氾濫した河川もあることから、河道内に堆積した土砂や立木の取除き工事を計画的に実施してまいります。
 簡易水道の整備につきましては、安全な飲料水を供給する必要があることから、老朽化した配水施設や配水管等の更新を計画的に実施する必要があります。
 下水道の整備につきましては、「あかいがわアクアクリーンセンター」が建設後20年が経過することから、老朽化した機器類の更新を計画的に実施しております。また、処理区域内で住宅を建設する方がいた場合には、下水道本管の設置もスムーズに行う必要もあります。
 下水道未普及地域における合併処理浄化槽設置の普及に努め、設置者への支援を継続する必要もあります。
 公営住宅の整備については、老朽化が進んでいる住宅もあることから、居住環境の改善を図るため、「公営住宅等長寿命化計画」に基づき、改修に向けた調査に着手しなければなりません。今後も、適切な住環境を維持するための住宅管理が必要と考えます。
 人口の増加や地域の活性化を図るため、平成28年度から実施している「移住・定住支援事業」は3カ年で34戸が建設又は建設中であり予想を超える実績となりました。本年度も、4戸の申し込みがありますので、今後も要望があった場合に対応できる体制を維持する必要があります。
 各施設の管理につきましては、延命化に努めながら、老朽化している施設については、計画的に整備を進め利用者の便宜を図る必要があります。
 可燃ごみ・資源ごみにつきましては、北後志6市町村で構成する「北しりべし廃棄物処理広域連合」で広域処理されており、不燃ごみは村の一般廃棄物最終処分場で埋め立てされ、それぞれ適正に処理されております。 近年の処理実績を見ますと、ごみ総処理量は減少傾向にあり、住民の分別意識が定着し、処理費用の圧縮と最終処分場の延命化が図られております。
 しかし、分別が徹底されているとは必ずしも言えず、今後も住民の皆さまへ適切なごみの排出について周知し、さらなるごみ減量化の推進を図っていく必要があります。

■保健・福祉・介護の充実

①保健事業の充実
 保健事業につきましては、健康支援センターを拠点として、各種健診や健康教育、訪問指導の推進をはじめ、住民の健康保持の支援を目的に活動しております。今年度も平成27年度に策定された「第2期赤井川村健康づくり計画」に基づき、事業の推進を継続しなくてはなりません。

②予防事業の充実  予防事業につきましては、「第2期赤井川村健康づくり計画」に基づき、生活習慣病の一次予防を図っております。
 また、二次予防として、特定健康診査等の受診率向上を目指し、健康診査の結果から特定保健指導をはじめ、健康教育や健康相談等、指導の充実に努め、更に、インフルエンザ等の感染症に対する正しい知識の普及・啓発の推進や、ワクチン接種機会の充実等により、予防接種率の向上に努めております。

③地域福祉事業の充実
 地域福祉事業につきましては、平成30年度に策定した「赤井川村総合福祉計画」に基づき、定められた福祉施策の基本方針や実施施策に従い、地域福祉施設の団体を核にボランティア活動等の充実を図り、地域における福祉体制づくりを進める必要があります。
 また、民生委員やボランティア等が地域に密着した活動を展開しておりますが、今後益々進むことが予想される少子高齢化や核家族化に対応すべく、地域が一体となれるような福祉体制づくりが必要となってまいります。

④子育て支援事業の充実
 子育て支援事業につきましては、平成27年7月よりへき地保育所の保育料及び中学3年生までの医療費無料化を行ってまいりました。年々子どもの数が減少していく中、若い世代が安心して子どもを産み育てられる環境づくりが必要と考えます。
 平成27年度に「赤井川村子ども・子育て支援事業計画」を策定しましたので、この計画に基づき支援施策を推進し、地域のニーズを把握し、より子育てしやすい環境づくりに努めなくてはなりません。
 また、保育所は昨年入所対象を拡大し、2歳到達随時受付を開始しておりますが、今後も保育内容の充実・保育環境の整備に努めなくてはなりません。

⑤障がい者支援事業の充実
 障がい者支援事業につきましては、北後志5ヶ町村が委託している「北しりべし相談支援センター」及び「母子通園センター」と連携しながら障がい福祉サービスの提供をはじめ、自立と社会参加に向けた各種施策の推進をしてまいりました。
 しかし、近年障がい者対象者数の増加や高齢化、重度化が進んでおり、支援のさらなる充実が求められ、今後も、平成29年度に策定した「赤井川村障がい者計画」に基づき、支援施策を推進する必要があります。

⑥介護保険事業の充実(地域支援事業の推進)
 介護保険事業につきましては、後志広域連合と連携しながら「第7期介護保険事業計画(平成30年度~平成32年度)」を策定したところですが、いわゆる団塊の世代が後期高齢者となる2025年には、実に65歳以上の5人に1人が認知症に罹患するといわれており、これまで以上に地域の実情に合った地域包括ケアシステムの構築・充実が求められます。
 高齢化社会が進行し、さらにその先の将来を見据え予防や介護の需要はさらに増加することが見込まれ、支え合う仕組みをより発展させる必要があることから、「在宅医療・介護」、「認知症施策」、「生活支援体制」の整備について、地域包括支援センター及び関係機関と連携しながら事業の推進を図らなくてはなりません。

⑦高齢者福祉事業の充実
 高齢者福祉事業につきましては、高齢者の生きがい支援として悠楽学園大学の活動支援を継続するとともに、冬季生活支援として除雪支援事業や、憩いの場の提供となるよう赤井川カルデラ温泉無料入浴券の配布も継続する必要があります。

■産業の振興

①農業の振興
 農業の振興につきましては、持続可能な農業及び農村づくりのため、農業者の高齢化に伴う担い手対策として、Uターンした農家の子弟や新規就農者に対し、農業委員会や農業関係機関と連携を図り、担い手経営者及び生産組織の育成に努め、遊休農地の有効活用、農業生産物の安定確保等に努めてまいりました。特に、栽培作物の品質の高さと食味は、永年に渡り関係者が実践してきた「土づくり」が実ったものであり、今後も農業の基礎となる取組みについて引き続き支援を継続する必要があると考えております。
 昨年実施をした、農産物加工施設は完成し、本格運用は本年度からとなりますが、多くの農業者に活用いただき、農業経営の安定や村農産物のピーアールそして元気で活力のある農村となることを期待しているところであります。
 また、施設栽培、露地野菜栽培等への安定した給水を継続することも重要であることから、落合ダムの維持管理に万全を期し、用水の安定給水と水質管理に努め、さらに、各地域で自主的に実施されている農地保全活動などにも支援を継続する必要があると考えます。

②観光の振興
 観光の振興につきましては、農業とともに基幹産業として観光振興も重要な産業として位置付けしております。
 観光が地域に及ぼす経済波及効果は、地域経済の活性化にとって重要な分野であり、他産業とも連携し積極的に取り組むことも重要であります。
 今後の取り組みとして、キロロリゾートを核とし、村を丸ごと売り込む工夫が必要であり、公共施設である温泉・パークゴルフ場・道の駅を単なる通過地点ではなく、行ってみたいと思わせる魅力ある目的地にしていかなくてはならないと考えておりますし、それが交流人口の増加や村の元気に繋がります。
 また、平成23年度に「さくら・もみじ基金」を創設し「さくらともみじ」の植樹を進めておりますが、結果が実るまでは時間を要しますが、20年30年後に「春には桜の名所」、「秋にはもみじ狩りの名所」となり多くの観光客で賑わい、観光資源となることを夢見ております。本年度は、開村120年の記念事業として「さくら」の記念植樹を実施いたします。

③林業の振興
 林業の振興につきましては、森林が持つ木材生産、水源涵養、山地災害防止、生活環境保全等の多面的機能に配慮しつつ、「赤井川村森林整備計画」に基づき国等の補助事業を活用し適切な森林管理に努める必要があります。

④商業の振興
 商業につきましては、消費者ニーズの多様化、近隣市町への大型店の進出や車社会に伴う購買力の流出など、個別経営環境は大変厳しく、更に経営主の高齢化と後継者難で廃業が続き個人商店が減少しております。
 今後は、住民ニーズや高齢者向けのサービス、道の駅やキロロリゾートとの連携及び一時的ではありますが、新幹線建設工事等大型事業の流動人口をいかに消費に繋げることができるかが課題であり、商業関係者の奮起に期待するところでございます。

■行財政の運営

 行財政の運営にあたりましては、慎重かつ大胆に運営していかなくてはならないと考えますが、地方自治体への影響を予測しますと、地方創生や道州制の実施、地方交付税の減額など決して安堵していられない状況でありますし、赤井川村のような小規模自治体であっても、世界の経済情勢を踏まえ村政運営にあたらなくては取り残されるとも考えております。
 今後の村政運営にあたっては、内部執行経費の縮減に努め、住民の皆様にご理解頂きながら健全で「未来」を見据えた行政運営に努めなくてはなりません。
 この様なことを基本に、平成31年度の赤井川村各会計予算案の規模は、次の通りであります。

■一般会計
2,104,000千円
■後期高齢者医療特別会計
   16,969千円
■国民健康保険特別会計
   50,578千円
■介護保険サービス事業特別会計
   55,012千円
■簡易水道事業特別会計
   60,317千円
■下水道事業特別会計
   64,444千円
■総  計
2,351,320千円として提案申し上げるところでございます。

 大きな変革の荒波を乗り越え、開村120年を迎える記念すべき年でもあり、私は村長に就任以来12年、将来を担う子どもたちが「誇りを持てる」村づくりと皆さんが「笑顔になれますように」を基本とし、目の前の課題を乗り越えながら、夢をもち、希望に満ちた村づくりに向け取り組み、一定の成果を達成させて頂きましたことは、村民の皆様、村議会議員の皆様のおかげであり、心より感謝とお礼を申し上げる所でございます。
 以上、平成31年度の行政と予算案の大綱を申し上げましたが、本年度は地方統一選挙が実施されることから、経常経費や継続事業(補助事業)を中心とした骨格予算としてご審議いただくことが適当と考え、提案させて頂いたところでありますのでご理解を下さいますようお願い申し上げます。

総務係soumuka@akaigawa.com0135-34-6211